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肥満と病気について
肥満とは単に体重の増加だけではなく、体内に脂肪細胞が過剰に蓄積した状態をいいます。
最近になって、脂肪細胞からは、レプチン(食欲、女性ホルモン分泌等の調整)や腫瘍壊死因子:TNF-α(インスリン抵抗性作用)、性ホルモンなど様々な物質が分泌されていることが明らかになってきました。
体重の増加、脂肪細胞の過剰蓄積は、次のような疾患を引き起こしやすくなります。
● 糖尿病、高血圧症、高脂血症、心疾患、乳ガン、子宮ガンなど
● 不妊症
● 腰痛・膝痛
※ BMIが「25 以上」の人は生活習慣病に注意!
肥満により血糖値を調節するインスリン機能が低下してしまい糖尿病や高血圧になったり、脂肪の細胞から過剰に分泌された性ホルモンが更年期以降の乳癌や子宮癌を発症させる要因となることなどがわかってきました。下表のように、標準的な体重の人(BMI値 22)と比べると、肥満の人は高頻度に生活習慣病や様々な疾病が出現することが報告されています。(メタボリックシンドロームについてのページも参照されて下さい。
病 気 | 標準者に対する病気の発生割合 |
腰痛・膝痛 | 17倍 |
脂肪肝 | 8倍 |
糖尿病・脂質異常症 | 5倍 |
高血圧症 | 4倍 |
心疾患 | 3.5倍 |
胆石症 | 3倍 |
癌(乳癌・子宮癌)・不妊症 | 2倍 |
肥満のタイプについて
肥満には「内蔵脂肪型肥満」と「皮下脂肪型肥満」の2つのタイプがあります。メタボリックシンドロームで問題なのは「内蔵脂肪型肥満」の方です。
「内蔵脂肪型肥満」
内臓のまわりに脂肪がたまる肥満で、お腹がぽっこり出た体型の「リンゴ型肥満」とも呼ばれます。内臓周囲の脂肪は、比較的たまりやすいのですが、運動をしたり食事を適量に制限することで減りやすいといわれています。男性に多いタイプです。
「皮下脂肪型肥満」
腰まわりやお尻、太ももなどの下半身を中心に脂肪がたまる肥満で、「洋なし型肥満」とも呼ばれます。女性に多いタイプです。
やせと病気について
過剰な脂肪は、各種生活習慣病の基盤となりますが、脂肪は本来、エネルギーの貯蔵タンクとして、また体温維持、身体中へのビタミン運搬や性ホルモンの調節、さらに内臓を正常な位置に維持するなど、大切な役割を持っています。ですから、男女とも適量の脂肪の存在が、健康を維持するうえで必要不可欠なのです。
脂肪が少なすぎると、次のような症状を引き起こしやすくなります。
● 環境の変化、暑さ寒さなどに弱い。
● ビタミン不足のため、細菌に対する抵抗力が衰え、風邪を引きやすい。
● 女性の場合、月経不順、無排卵、無月経など。
● 胃下垂になりやすい。